鬼の電話は本当にトラウマになる?心理的影響と正しい使い方を徹底検証 - 複眼インデックス
ネット上には「昔の親も『なまはげ』や『鬼が来るぞ』と脅していたのだから、アプリを使っても何の問題もない」という擁護論が散見されます。しかし、民俗行事としての「なまはげ」とスマートフォンの「鬼の電話」には、決定的な構造の違いが存在します。
古来の伝統行事であるなまはげは、恐ろしい鬼が家に入ってきた際、親が子供を身体を張ってかばい、「この子は良い子ですから連れて行かないでください」と鬼をなだめて追い払うという儀礼的構造を持っています。つまり、恐怖の対象に対峙する中で「親こそが自分を命がけで守ってくれる存在なのだ」という強固な愛着の再確認が行われる仕組みになっていたのです。
一方、スマートフォンの画面を突きつける現代の使われ方は、親自身が鬼を呼び出し、子供を一方的に恐怖に差し出す構図になりがちです。これにより子供は「親に見捨てられた」「親自身が敵になった」という孤立感を味わうことになります。特に以下の3つのシチュエーションでは、絶対に使用を避けるべきです。
第一のNGは、「就寝直前の寝かしつけ」です。入眠前の脳は、日中の記憶を整理し無意識の領域に定着させるデリケートな時間帯です。ここで強い恐怖にさらされると、悪夢障害や夜驚症、暗闇への過度な恐怖反応が慢性化し、睡眠の質そのものが著しく低下します。
第二のNGは、「道路の飛び出しなど、命に関わる危険を教える場面」です。本来教えるべきは「車が来てぶつかると大怪我をする」という物理的事実です。「鬼が来るから飛び出さない」と教えてしまうと、鬼の存在を信じなくなった年齢になった瞬間、飛び出しへの抑止力が完全に消滅します。
第三のNGは、「食事中の好き嫌いや食べこぼし」です。食事は本来、リラックスした副交感神経優位の状態で楽しむべき生理的欲求です。恐怖によって交感神経が昂ぶると胃腸の働きが阻害され、消化不良や会食恐怖、将来的な摂食トラブルの引き金になりかねません。