蟹の甲羅の黒い粒の正体とは?絶品レシピと臭わない捨て方まで徹底解説 - 複眼インデックス
ズワイガニなどの甲羅表面に付着している黒くて硬いゴマのような粒。その正体は、海に生息するヒルの仲間である「カニビル」の卵嚢(らんのう)です。虫眼鏡などで拡大すると小さなカプセル状になっており、中にはカニビルの幼生が入っているか、すでに孵化した後の殻であることが分かります。
見た目のインパクトから「寄生虫による病気ではないか」「食べたら食中毒になるのでは」と不安視されがちですが、カニビルが蟹の身肉に侵入したり、人間に寄生したりすることは生物学的に絶対にありません。カニビルは蟹の体液を吸う寄生虫ではなく、硬い甲羅を単なる「産卵場所」として利用している付着生物に過ぎないためです。茹でガニとして加熱処理されている時点で完全に死滅しており、万が一誤って口に入ったとしても人体への害はありません。
水産市場や仲買人の間では、この黒い粒の多さが「極上の身入り」を見極める重要なバロメーターとして重宝されています。蟹は脱皮を繰り返して成長しますが、脱皮直後の蟹(若ガニ)は身が水っぽく、甲羅も柔らかいためカニビルは卵を産み付けません。逆に、脱皮から長い年月が経った甲羅には大量の卵が付着します。つまり、黒い粒が多い個体ほど脱皮後の成熟期間が長く、身がぎっしり詰まって味噌も濃厚な証拠なのです。