薬屋のひとりごと声優一覧!ドラマCd交代理由と2期キャスト徹底解剖 - 複眼インデックス
本作の屋台骨となっているのは、言うまでもなく猫猫役・悠木碧と壬氏役・大塚剛央による掛け合いの妙です。二人の芝居は単なるキャラクターボイスの範疇を超え、作品の文学的な質感すら高めています。
悠木碧が構築した「感情を抑制するリアリズム」と「狂気」の二面性
悠木碧は、これまで数々の名作で変幻自在の演技を披露してきた実力派ですが、猫猫という難役においてその職人技を極限まで発揮しています。普段の猫猫は宮廷の権力争いから距離を置くため、あえて抑揚を削ぎ落とした低めのトーンで淡々と喋ります。しかし、猛毒や未知の薬草を前にした瞬間、まるで獲物を見つけた獣のように甲高い歓喜の声を上げるなど、見事な緩急で視聴者を引き込みます。
当時の特番インタビューや公式コメントでも明かされている通り、悠木自身が原作の大ファンであり、猫猫の「決して聖人君子ではなく、自己責任論を弁えながらも情を捨てきれない人間臭さ」を深く咀嚼してマイク前に立っていることが、演技の説得力に直結しています。
大塚剛央が魅せる「天女の仮面」と「年相応の青年」の多層構造
一方、大塚剛央が演じる壬氏は、声のトーンそのものが物語のギミックとなっています。後宮の官吏として振る舞う際の「鈴を転がすような甘美で艶のある声音」と、猫猫の前で素の感情を露わにして頭を抱える「低く押し殺した苛立ちや照れ」の演じ分けは圧巻です。
特に、猫猫に冷たくあしらわれて動揺するシーンのコミカルさと、自らの重い宿命に苦悩するシリアスなシーンの落差は、大塚の卓越したブレスコントロールと間(ま)の取り方によって極上のエンターテインメントへと昇華されています。