空の青さを知る人よ結末ネタバレ考察!しんのの正体と消えた真相 - 複眼インデックス
アニメーション制作スタジオCloverWorksが手掛けた本作は、長井龍雪監督、脚本家の岡田麿里、キャラクターデザイナーの田中将賀からなる「超平和バスターズ」による、埼玉県秩父市を舞台とした青春三部作の完結編です。
2011年の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』が「死者との別れとトラウマの克服」を描き、2015年の『心が叫びたがってるんだ。』が「言葉によるトラウマと感情の表出」を扱ったのに対し、2019年公開の『空の青さを知る人よ』は「夢を追うことの残酷さと、大人になることの肯定」という、よりビターで実社会に即したテーマへと踏み込みました。
タイトルの由来は、中国の古典『荘子』逍遥遊篇の一節「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」という故事成語に深く根ざしています。一般的に「視野が狭い」というネガティブな文脈で使われる前段に対し、後段は「狭い世界に留まった者だからこそ、その世界の深さや尊さを誰よりも知っている」という肯定的な解釈を与えます。
東京へ出てプロミュージシャンとして大成できなかった慎之介と、地元に残って妹を育て上げたあかね。一見すると「夢に破れた者」と「夢を諦めた者」に見える大人たちが、それぞれの場所で積み重ねてきた日々の尊さを、青い空の下で見つめ直す――このタイトルの意味が回収される構成の緻密さこそ、岡田麿里脚本の真骨頂です。