砲金と真鍮の違いとは?プロが見分ける成分比率と2026年最新買取相場 - 複眼インデックス
砲金と真鍮を理解する第一歩は、それぞれの学術的・産業的名称を整理することにあります。俗に砲金と呼ばれる金属は、金属工学上の青銅(ブロンズ)の一種です。近代以前に大砲の砲身(ガンメタル)を鋳造するために用いられた歴史からこの名が定着しました。一方、真鍮は正式には黄銅(ブラス)と呼ばれ、銅と亜鉛を混ぜ合わせた黄金色の合金を指します。つまり、砲金と黄銅の違いは、青銅と黄銅の違いそのものと言い換えることができます。
決定的な差異をもたらす要因は、添加されている副原料です。砲金と真鍮の成分比率を比較すると、砲金(代表的なCAC406材)は銅が約85%、スズが約5%、亜鉛が約5%、鉛が約5%で構成されています。これに対して真鍮(一般的なC3604材など)は、銅が約60%前後、亜鉛が約40%という配分です。砲金に含まれるスズ(Sn)は、分子構造の結合を強化し、海水や流水に対する驚異的な耐食性と耐摩耗性を付与します。
工業規格の面でも明確に区分されています。日本産業規格における青銅鋳物規格JIS(JIS H 5120)では、砲金は「CAC406(旧呼称:BC6)」などに厳格に分類され、主に鋳造(溶かした金属を型に流し込む工法)によって成形されます。一方の黄銅はJIS H 3250などで規定され、鋳造のみならず鍛造や圧延、切削加工性に優れた棒材・板材として流通するケースが大半です。