侍ジャパンの選考はおかしい?落選の真相と違和感の正体を徹底解明 - 複眼インデックス
代表選考の議論において決定的に抜け落ちがちなのが、「選ばれなかった」のではなく「本人が辞退せざるを得なかった」というケースです。公式発表資料で「辞退」と明記されるのは直前の怪我などに限られ、事前の内覧段階で断りを入れているケースは公表されません。
特に侍ジャパンの辞退理由で大きな比重を占めるのが、以下の3つの力学です。
第一に、メジャーリーグ球団の意向と保険(保険会社)の承認問題です。MLB所属選手の場合、巨額の年俸保障があるため、過去に重大な故障歴がある選手や前年に長期離脱した選手は、保険会社から代表参加の許可が下りないケースが多々あります。首脳陣が熱望していても、契約上のハードルで招集を見送らざるを得ないのが国際基準の現実です。
第二に、NPB所属選手のコンディション調整と所属球団の事情です。春先に行われる国際大会に出場する場合、選手の調整ペースは通常より1か月以上前倒しになります。前年秋に手術を受けた選手や、フル稼働で疲労が限界に達している主力を無理に招集すれば、シーズン本番での選手生命に関わります。球団と選手本人の将来を守るため、事前のヒアリング段階で「今回は見送る」という大人の判断が下されるのです。
第三に、FA(フリーエージェント)移籍直後やポスティング移籍初年度の特有事情です。新たなチーム環境に馴染み、開幕ロスターを勝ち取らなければならない立場の選手に対し、代表招集を強要することは事実上不可能です。こうした複雑な舞台裏が伏せられたまま最終リストだけが公開されるため、結果として「選ばれないのはおかしい」という誤解が生まれてしまいます。