ロキソニンが効かない頭痛の真実|原因別の対処法と危険なサイン - 複眼インデックス
SNSや健康相談掲示板では、「ロキソニンを飲んでも痛みが消えず、1日に何回も飲んでしまう」「効かないので2錠に増やして飲んだ」といった生々しい投稿が後を絶ちません。しかし、この行動こそが頭痛を慢性化・難治化させる最大の罠です。
頭痛専門医の外来を訪れる患者の多くに見られるのが、鎮痛薬の耐性と飲みすぎによって引き起こされる「薬物乱用頭痛(薬剤の使用過多による頭痛:MOH)」です。国際頭痛分類(ICHD-3)において、市販の鎮痛薬やトリプタン製剤を月10日〜15日以上、3ヶ月を超えて定期的に服用している状態は、すでに薬物乱用頭痛の診断基準に該当します。
なぜ人々はこの危険な悪循環に陥ってしまうのでしょうか。そこには深刻な「予期不安と服薬依存の心理力学」が作用しています。
仕事や家事を休めない責任感の強い人ほど、「大事な会議中に痛くなったら困る」「痛みが本格化する前に抑え込まなければ」という強い恐怖心から、痛みの兆候が微かに現れただけで予防的に薬を飲んでしまう傾向があります。しかし、脳は頻繁に鎮痛薬が血中に入ってくる環境に慣れると、自ら痛みを抑える神経伝達物質(セロトニンやエンドルフィンなど)の分泌を弱め、痛みに対する閾値(痛みに耐える限界値)を下げてしまいます。その結果、わずかな刺激で激しい痛みを感じるようになり、「痛むから飲む、飲むから痛くなる」という出口のないループに捕らわれてしまうのです。