サザエさんの曲を徹底検証!筒美京平の秘話と劇伴Cdの現在に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。
昭和から平成のテレビ黄金期をリアルタイムで過ごした世代にとって、強烈な記憶として残っているのが「火曜日版サザエさんOP曲」の存在です。1975年4月から1997年11月までの22年間にわたり、フジテレビ系列では毎週火曜日の夜7時から『まんが名作劇場 サザエさん』と題した再放送枠が設けられていました。本放送と明確に区別するため、主題歌は完全に新規制作された楽曲が充てられていたのです。
火曜日版のオープニングを飾ったのは、アニソン界の女王・堀江美都子氏が歌う「サザエさんのうた」(作詞:保富康午、作曲:渡辺宙明)。エンディングには同じく堀江氏による「あかるいサザエさん」が採用されました。『マジンガーZ』などで知られる渡辺宙明氏特有の、鋭角な金管楽器とパンチの効いたリズムセクションが炸裂するサウンドは、日曜日の筒美サウンドとは一味異なるアグレッシブな高揚感を放ち、現在も昭和アニメ愛好家の間で伝説のマスターピースとして崇められています。
そして、番組を影で支え続けたのが、作曲家・越部信義(こしべのぶよし)氏が手掛けた膨大な劇伴(BGM)の数々です。越部氏は童謡「おもちゃのチャチャチャ」の作曲や数々のCM音楽で知られる巨匠であり、日常の細やかな感情の揺らぎを数小節のアンサンブルで表現する天才でした。物語の展開を決定づける代表的な劇伴データを整理した以下の比較表を見れば、その緻密な音響設計の全貌が理解できます。
楽曲種別・コード名劇中の主な使用場面と音響的特徴作曲・歌唱・初出データメディア史的評価・現在価値OP主題歌「サザエさん」観光地巡り映像と共に流れる。モータウン調ビートと洗練されたブラスアレンジ。作詞:林春生
作曲:筒美京平
歌:宇野ゆう子(1969年)55年以上同一原盤を使用。日本のポピュラー音楽史上最長寿のテレビ主題歌。ED主題歌「サザエさん一家」エンディングおよび次回予告。スイング感あふれるドラムとコミカルなコーラス。作詞:林春生
作曲:筒美京平
歌:宇野ゆう子(1969年)ラストの「ジャンケン」へと続く構成。日本人の日曜夕方の条件反射を形成。火曜OP「サザエさんのうた」再放送枠OP。「窓を開けましょ ルルル」のフレーズと宙明節全開の力強いブラス。作詞:保富康午
作曲:渡辺宙明
歌:堀江美都子(1975年)1997年の再放送終了まで22年間親しまれ、現在もCD市場で高い需要を誇る。日常系劇伴(BGM A/B群)タラちゃんの足音、カツオの企み、磯野家の茶の間風景を彩るショートピース。作曲・編曲:越部信義
演奏:スタジオミュージシャン木琴、ピチカート、フルートを駆使した劇伴職人芸。日本の日常劇伴の金字塔。サスペンス系劇伴(通称:怖い曲)カツオのテスト0点発覚、波平の雷直前、怪談回などで流れる不穏な不協和音。作曲・編曲:越部信義
(劇伴コード:不穏・ショック系)ネット掲示板やSNSで定期的にバズを生む、子供時代のトラウマ音源の代表格。次回予告BGM「さーて、来週のサザエさんは?」のアナウンスの裏で流れる軽快なインスト。作曲:筒美京平 / 編曲:越部信義
(主題歌変奏アレンジ)番組のクロージングと翌週への期待感を30秒で見事にパッケージングした名演出。※出典:日本音楽著作権協会(JASRAC)登録データ、東映アニメーション・エイケン公式アーカイヴ、および『サザエさん音楽大全』ライナーノーツより編集部作成。